辰屋ブログ
BSE(牛海綿状脳症)について

※追記 BSE対策の見直しについて

神戸市では、平成13年10月18日からBSE全頭検査を実施してきましたが、平成25年7月1日から検査対象となる牛を、現行の全頭から48ヶ月齢超に見直しました。
詳細はコチラ
http://www.city.kobe.lg.jp/life/health/hygiene/food/bse.html
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いわゆる「狂牛病」に感染した牛が日本で発見されてから、さまざまな報道、国の対応の遅れなどで皆さまも振り回されたことだと思います。当店がお肉を販売し続けてきたのは、もちろん安全だと確信を持っていたからですが、"ご理解いただけない時期"はやはり大変でした。それでもお客さま皆さまに支えられ、お励ましの言葉をいただき、本当にありがたかったです!あらためてありがとうございました!

BSEって?

■病原体はプリオン(prion)と呼ばれる異常な蛋白粒子です。もともと正常なプリオン蛋白は脳等の神経細胞の膜に多く含まれていますが、異常なプリオンが入ると正常なプリオンに接触し次々に変性してしまう性質を持っています。

■もともとの感染源とされるのは、スクレイピーと呼ばれるBSEと極めて似た病気の、羊のプリオンが含まれた肉骨粉を牛の飼料として使われたことです。
(※羊のスクレイピーという病気は昔からあり、食べても人には感染しません。)

■BSEという病気が発見されるまで、知らずにBSEに感染した牛の廃棄物も肉骨粉となり、連鎖的に日本にまで運ばれてきてしまいました。

詳しくはこちら(国内発生当時の当店の説明ページです)

ほんとに安全なの?

安全です(^^)!
■現在の日本では感染した牛が市場に出ることはありません。
また、感染源である肉骨粉の使用はもちろん製造も禁止されています。

■BSEに感染した牛の食べてはいけないとされているのは次の部位です。
脳・脊髄・網膜(目の膜)・回腸遠以部(小腸の最期の部分) ※現在では感染の有無に関わらず、これらの部位は破棄されています。

■BSEに感染した牛であっても、一般に「肉」と呼ばれる「筋肉(精肉)」を食べても問題ありません。「牛乳・乳製品」また「豚肉」「鶏肉」はもちろん問題ありません。

■人に感染するのは、大量に異常プリオンを摂取した場合です。人の体は一定量以上に摂取しなければ、排出される仕組みになっています。毎日小量ずつ摂取したとしても、排出され体内に貯まるものではありません。

■実際に感染者が百数名出たイギリスでは脳や脊髄を精肉と同じように食べていました。日本でもしも万が一、感染した牛が市場に出たとしても、上記「食べてはいけない部位」は感染の有無に関わらず破棄されていますし、感染した牛の精肉に含まれる異常プリオンは極々微少量であり、人に感染するものではありません。

■牛肉であれば「O-157」のような食中毒の方が皆さまに気をつけて頂きたいと思います。「O-157」についてはこちらを参考にしてくださいね。
ご家庭での衛生管理術

神戸ビーフについて

■神戸ビーフをはじめ、日本の和牛は「肉の味は餌で決まり、さし(霜降)は血統で決まる」と言われ、餌には本当に気を遣っています。肉骨粉のような餌は肉質に悪い影響を与えるため使用しません。

■また神戸ビーフは必ず兵庫県で生まれ、兵庫県で育ちます。何代にも渡り牛の戸籍が残されており、餌・肥育状況等も徹底して管理されているため、精肉になっても生産者までたどるのは簡単です。

子牛登記証明書

今後について

■日本の和牛は以前から耳標(識別番号)をつけていましたが、県内のみの識別番号であることが多く、他県にいくと違う識別番号が付けられたりとややこしくなっていたため、和牛だけでなくすべての国内の牛に統一された識別番号がつけられるようになりました。

ちょっとわかりにくいですが、耳についてる
黄色い札が『耳標』です。→

■店頭でパックになっても、誰もが簡単に生産者までたどることができるシステム(トレーサビリティ)はまだ試験的に一部で始められたばかりですが、一日も早く確立されて欲しいですね。
■最後に個人的な意見ですが、今「廃用牛」と呼ばれる乳の出なくなった乳牛がどこにも引き取り手がなく生産者の方は本当に大変だと思います。国が買い取る制度を設けており、買い取った後、検査をし陽性でも陰性でも破棄されるのですが、万が一感染牛が出ると生産者当人だけでなく、同じ地域の生産農家に迷惑がかかると出せずにいます。

実際、1頭目が千葉で出た時は「千葉産」の牛肉が売れず、北海道の子牛だったとわかれば「北海道産」というだけで敬遠され、国の対応やマスコミの報道のあり方にも大いに問題を感じましたが、何よりも一人一人が冷静に判断することが大切だと思いました。

BSEに関わらず、国の対応の遅れや、マスコミの偏った報道はよくあることですが、私たち一人一人が惑わされず自分で判断する目をもつことが、国の対応やマスコミの報道をも変えていく力になると信じています。

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